前段:M-241とGP-102+について
取材や旅行などで遠出する時を中心に、私は常々GPSロガーを持ち歩いています。ところが今年の4月、これまで愛用していたGPSロガー「Holux M-241」が、GPS信号のロールオーバーの影響で使えなくなりました。
以前代替機として購入していたCanmore GP-102+も、性能的には良く気軽だったものの、記録途中でバッテリー切れを起こすとログが消失、さらにそれ以降も(一見普通に動作してるのに)ログファイルが壊れたまま読み出せなくなる(そして直すには込み入ったファクトリーリセットが必要になる)という致命的な欠点があり、安心して使えるGPSロガーを探していました。
色々調べて探して、最終的に購入したのは、Garmin eTrex 30xJ。これまで使ったロガーに対してだいぶ高価ですが、購入の決め手や使い勝手などをご紹介します。
Garmin eTrex 30xJ
Garmin eTrexシリーズは、主にアウトドア、特に山登りをする人や自転車で長距離走するような人が活用しているGPS機器です。移動のログはもちろん取れますが、地図データをインストールしての現在地確認やナビゲーションに重点を置いています。
電源は単三電池2本、25時間のバッテリーライフ。これなら1日の移動中や長いフライトでも、途中で切れる心配はまずありません。
私が購入した「eTrex 30xJ(公式サイト)」は、1.タッチパネルではなくジョイスティック操作方式、2.電子コンパス・気圧計内蔵、3.日本正規版、にあたります。3のせいで海外版より価格が高いのですが、後述する日本版限定機能を目当てにこれにしました。
基本的な使い方
セットアップについては別の記事を用意しようと思いますが、まずはGPSロガーとしての使い方について。
eTrexの基本的な考え方として、ログの開始・終了はありません。「電源が入っている間は常時ログを取り続ける」方式です。色々な機能があり、その時々で画面表示も変わりますが、何が表示されていようとバックグラウンドでログを取っている、ということです。
これは最初こそ違和感ありますが、使っていると操作が減って便利ではありました。(不要なログは後から消せますしね。またログを取らないように設定することも可能です。)
記録されたログデータは、別途無料でダウンロードできる「BaseCamp」というアプリ(Mac/Win)で読み出します。実は本体内で既にGPXのファイル形式で保存されているんですが、電波が途切れた区間があると断絶したログになっているため、BaseCampを使って読み出し・保存する方が、ちゃんとログが一本の線で繋がっていて気分的に良いです。
※USBケーブルで繋げば外部ディスクとして接続できますが、マウントされるまで若干時間がかかり、最初は少し不安になりました。苦笑
GPSログについての、日本正規品の独自機能
海外版だってゴニョゴニョして日本語化できる、日本語化済みの海外版も売られているのに、日本「正規」というだけで高すぎる、というレビューをよく見かけます。私もなんならメニュー表記くらい英語でもいいや、という感じなのですが、日本版独自のメリットと機能があります。
まず第一に、日本版正規品には日本国内の詳細地図データが付属します。正確にはアップデータなどと一緒にダウンロード&インストールするもの。海外版でもアレコレしてOpen Street Mapを入れたり有料の地図データを買えば使えますが、特に苦労なく標準で地図データが使えるのはメリットのひとつです。(逆に最初から入っている「BaseMap」はザックリすぎてあんまり役に立ちません。)
そして第二が本命で、「ログデータの二重記録」機能。本体内にmicroSDカードを追加しておくと、移動のログを「本体内のメモリーとmicroSDカードの両方へ同時に」記録します。そもそもバッテリーもよく持つし、システムも安定してる感じなので不安感は少ないんですが、二重保存のおかげでデータ消失の心配はほぼ無くなりました。この安心感と、諸々の多機能っぷりで購入を決めた、というところです。(でも高いよね。だから中古で買いました。)
出先・移動中の楽しみ方
だいぶ多機能なので、ログを取るだけにするのはもったいない。というか、それだけなら本当に高価すぎる。笑
先日の買ったばかりでの旅行中の使い方から、いくつかご紹介します。
1. 地図を見ながらの移動
一番eTrexらしい使い道。列車や飛行機、あるいは船での移動中に、自分がどこにいるのかが事細かに分かります。飛行機から見えた印象的な風景がどこなのかを知ったり、海上でも分からない国境線を越えていく時など、なかなかおもしろいです。
標準付属してるのは大雑把な世界地図と日本国内の詳細地図のみですが、事前にこちらのサイトなどからOpen Street Mapのデータを入れておけば外国でもちゃんと地図が使えます。
2. 様々な移動データ表示器として
列車や飛行機、船がどれくらいの速度で進んでいるのか、どっちにむかっているのか、高度はどれくらい?などといった情報を一画面で見られます。知りたい情報を選んで画面の整理ができる点も、他の低価格ロガーには無い機能ですね。
3. 知らない土地での道探し
地図が見られる事と関係しますが、スマートフォンの地図では省かれるような散策路も(地図データ次第ではありますが)表示され、湖に浮かぶ小さな島を歩いた時に役立ちました。
そして通った道のログも色付きの線で表示されるので、街を歩いているときに「ここを進むとさっきの道に出る」「帰るにはこの線のところへ行けばいい」などのことが手軽に分かります。
地図データを使う前提の機器なのでバッテリーを気にせず使えるのも良いところですね。
移動ログを残すということ
興味ない人は全く興味ないらしいですが、ログを残しておくことで、後で「あれはどこだったのか」が振り返れます。
写真にも位置情報を埋め込むようにしてるおかげで、何年も前に行った場所やお店がどこにあったかを、もう一度行きたくなった時に思い出す手掛かりにもなっています。単純に思い出としても深みが出るし、写真を扱う仕事をしてると、過去のあの写真はどこだっけ?というときに検索できて、意外と役にたってるんですよね。
※以下は日本語化した海外版。ログの二重記録が必要なければ&日本語でのルート検索などが必要なければ、基本的にはこっちの方が安くていいかもしれません。