ハンディレコーダーの音ズレを比較する(ZOOM H1n, H4n, TASCAM X8)

ZOOM H1n, H4n, TASCAM Portacapture X8 の3機種が手元に揃いました。

H4nはかれこれ10年以上は使っている機種。いま映像撮影で(カメラに載せて)一番使っているのがH1n、そして今回X8が新たに加わりました。

6入力が可能、タイムコード同期が可能になる、32Bit float対応、というのがX8購入の動機ですが、せっかく3台あるので、以前から気になっていたことを実験してみました。

長時間録音・録画で発生する音ズレについて

動画のカメラ、レコーダーなど、時間軸を伴う収録機器を、複数台・長時間使ったことがある人ならご存知の人も多いと思いますが、同じ光景を同時に撮った/録ったはずなのに、なぜか全体の尺がズレます。あまり詳しいところまでは知らないのですが、内蔵クロック(時計)の精度によるものと考えられます。

タイミングの揺れというよりは、そもそもの速度差。いわゆる時計でも、1日で、あるいは1ヶ月でどれぐらい誤差が出る、というのがありますが、あれと同じことだと理解しています。

普段の仕事上はあまり問題になる場面が多くないものの、たまーにこれに悩まされる時がありました。

1時間半の録音で検証

今回の実験方法について。この3台を並べておき、30分ごとに手を叩いてパルス音を録音。一番最初の波形で位置合わせをして、後ろの波形がどれぐらいズレるかを見てみることにしました。なお3機種とも48kHzのサンプリングレート、ファイル形式WAVで揃えています。

結果がこちら。Audacityで波形を見比べています。

Recスタートから10秒後に最初の拍手。その後30分で、すでにはっきりとしたズレが確認できています。H4nが一番早く、そこからH1nが約25ms遅れ、X8が50ms遅れ。さらに1時間経過した頃には、H4nとX8では約100ms(H1n基準でそれぞれ前後に50ms)の時間差が生まれています。50〜100msとなると、耳で聞いても明らかにズレて叩いたように聞こえてしまいます。

もうちょっとズレが収まるかと思ったら、予想以上に差が開いてしまって困惑しているのが正直なところ。

ただし今回「どれが一番正確か」は検証できていないので、願わくば一番高額な&新しいX8がそうであって欲しいとは思うものの、実際はどうだかわかりません。(もし本格的にやるなら、電波時計とかインターネット時間を使って比較する方法を考えよう。)

また実験したのは3機種のハンディーレコーダーでの比較なので、使っている映像カメラと気の合うやつがどれかはまた別の話です。

正確さを求めるなら同期信号を使う必要あり

私の用途としては映像機器が加わる撮影・録音なので、可能なら「タイムコード」を使った同期システムを組む必要があります。

未経験のため調べた範囲ですが、

  • TASCAM Portacapture X8 にBluetoothアダプタを取り付け、UltraSync BLUEを接続
  • タイムコードの入力端子を持たないデジタル一眼には、UltraSync ONEを(オーディオ入力に)接続(※カメラ台数分を用意)
  • UltraSync Blue ⇄ ONE を無線接続

…という方法で、相互に同期させる方法が取れそうです。追加投資がさらに必要…

音響機器中心なら、Word Clockでの同期ですかね。

上記機器でのタイムコード同期について、詳しい説明がこちらにありました。

時間軸がズレている録音をタイムコードで(無理矢理)同期させた場合、あったはずの時間の差はどこへ消えていく(どうやって埋め合わせられる)のだろう…?と気になって仕方ありません。ではまた。

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